夢みるリアリスト

JAXA 宇宙航空研究開発機構は、13年ぶりに宇宙飛行士候補の選考を行い、令和5年2月28日にプレス発表をしました。応募総数4127名から最終候補として選ばれたのは、諏訪理さんと米田あゆさんの2名でした。

JAXAは選考にあたって今回から大幅に条件を緩和しました。年齢、学歴、専門性を条件から外したのです。そして、代わりにプレゼンテーション能力を重視する方針を打ち出しました。

JAXAの公式サイトには、「宇宙飛行士はいわば人類の代表。そこで得た経験を世界中の人々に伝える表現力や発信力を発揮して、人類の発展に貢献することが求められます」とあり、いかに宇宙飛行士のプレゼンテーション能力に期待しているかがうかがえます。

このJAXAの決定は、今までの人材観を覆すものです。最も過酷で危険なミッションである宇宙での活動においては、当然のように優れた論理思考と実務能力が求められます。しかし、それに加えて夢が語れる能力も兼ね備えた人材が必要だとJAXAは考えたのです。 JAXAの考えは今のビジネスにも当てはまります。先が読めない、今までの成功体験がまったく通用しない、そんな過酷なビジネス環境の中で、今までに無い発想で起業し成功しているビジネスパーソンが新たな時代を築きつつあります。夢みる力とビジネスを成立させる合理主義的な能力、この相反するロマンチストとリアリストの両面を併せ持った人材に未来は託されているのです。そして、JAXAがプレゼンテーション能力を重視したように、夢はみるだけではダメで、語らなければならないのです。優れた感性で多くの人の心に響く言葉が紡げるプレゼンテーション能力が今後、あらゆる場面で必要とされていくことになるでしょう。

JAXAの決定が日本の新たな未来を切り拓く一筋の光となると私は確信しています。

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