『知的感性のすすめ』

はじめに

『知的感性のすすめ』-悩み多き君へ知的感性で生きよう-の執筆を思いついたのは、過去に若い人達からいろいろと質問をいただき、そのつど、自分なりの意見を述べさせてもらった経験を文書にまとめてみようと思ったからです。

執筆にあたり頭に浮かんだのが、大学時代に手にしたハマトンの『知的生活』でした。英国の著述家であり美術雑誌の編集者であったP・G・ハマトンが1873年に刊行した知的生活論、自己啓発論の世界的名著です。
それぞれの章が、「健康のすぐれない学生へ」、「時間が足りないと嘆いている暇な人へ」など、手紙の書き出しのような構成で綴られています。今回は、この手法を取り入れて本の執筆原稿をイメージして書いてみることにしました。

人生は、知性と人間性と感性の総合的な営みです。知性だけ、人間性たけ、感性だけでは、問題を解決することができません。この三つが正しくバランスよく機能することが重要になります。
知性と人間性と感性の総合的な営みの能力を、私は知的感性という言葉で表現することにしました。それぞれの能力は関連し合っていて、切り離して考えることは無意味であると考えるからです。
知的感性という捉え方をベースに、各テーマについて私なりの助言を綴ったのが本書です。

各章を順次、執筆後にアップしていきます。
各章の順番にはとくに意図はありません。興味の持てた章からお読みください。読んでいただいた方の心が少しでも軽くなり、輝ける人生の一歩を踏み出していただけたら幸いです

『ハマトンの知的生活のすすめ』
著者 :PGハマトン
編訳 :三輪裕範
出版社:ディスカヴァー・トゥエンティワン
Philip Gilbert Hamerton(1834〜1894)
1834年英国のランカシャーに生まれる。当初は画家を志していたが、その後は美術雑誌The Portfolioの編集責任者として大成功する。その一方で、本書のような知的生活論、随筆、人物伝などの著作も多数出版し、当時英国有数の文筆家としても名をなす。知的生活関係の著作としては本書のほかに、『知的人間関係』『幸福論』などがある。本書『知的生活』は内容的に大変興味深いだけでなく、ハマトンが非常に平易かつ明瞭な英語で書いていることから、明治以来、日本の旧制高校や大学の英語教科書でも盛んに使われてきた。

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