第3章 学校生活が辛いと思ってしまう君へ

3 学校生活が辛いと思ってしまう君へ

子供は国が決めた義務教育制度というきまりで、学校へ行かされます。この義務は親にあり、子供には教育を受ける権利があります。
親の勝手で子供を学校へ通わせないと罰せられます。しかし、病気やいじめなどで学校へ通えない場合は、学校へ行かないことは認められています。

多くの子供は学校へ行くことに疑問を持たずに通っています。しかし、頭が良く感受性が高い優れた子供の中には、学校生活に疑問を持ったり、雰囲気になじめなかったり、学校に行くことに苦痛を感じてしまう子供もいます。それは、いろいろなことが考えられる優秀な子だからなのです。
特に、あることに強い興味関心を持つ天才的な子供は、多くのことに無駄を感じてしまい、学校の決まりや課題が苦痛になってしまいます。

しかし、ここで注意しなければならないのは、長いこれからの人生にとって、何が役に立ち、何が無駄なのかの判断を本当に正しくできる人間なんて誰ひとりいないということです。
何年も経ってから、無駄なことだと思っていた経験が、実はとても重要な経験であったと思い返すこともあります。
自分の好き嫌いで安易に判断しないようにしましょう。

夢を実現する人、成功する人は、いろいろなことにチャレンジして、とにかく自分の経験値を増やし、成長の種を集めます。すべての経験を無駄だと思わず、自分の夢の実現に必要な材料だと考えているのです。
そして、自分と違う考え方の人達を冷静に観察して、世の中を知る教材としています。

甘いスイーツを食べ続けていると、感覚が麻痺してきて甘さがあまり感じられなくなります。ときには、すっぱいもの、にがいものを味わって、甘さの感覚をリセット(いったん消す)する必要があります。
人生も同じです。本当に価値があるものが何なのかを理解するには、無駄だと思えるような経験も必要なのです。そういう意味で、いろいろな無駄だと思える経験をさせてくれる学校も意味があり、存在価値があるのです。

「味わう心」で自分から積極的に経験してみましょう。

ただ、ここで注意すべきことがあります。それは、無駄だと思えることに時間とエネルギーを奪われない工夫が必要だということです。自分が本当に大切だと思っていること、自分が本当にやりたいことに時間とエネルギーの多くを使えないと幸せになれないからです。

人間関係は、笑顔で観察につとめ、上手につきあっていきましょう。

やりたくない課題は、すぐに始めてアイデアと工夫で短時間に終わらせましょう。それが、君が好きなことに取り組める時間とエネルギーを手に入れ、人生を楽しく豊かに生きてくために必要な大切な鍵となります。

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