第5章 自分には才能が無いと悩んでいる君へ

5 自分には才能が無いと悩んでいる君へ

「才能は生まれ持ったものか?」、それとも「才能は努力によるものか?」、この疑問は古くから多くの研究者が取り組んできたテーマです。

多くの研究結果から分かってきたことは、遺伝子の影響はたしかにあることは真実です。しかし、その遺伝子のスイッチがオンになるかオフになるかは、生まれてからの環境や生活習慣によります。また、親子間でも70以上の突然変異が起こっていて、親には無い遺伝子を子供が持って生まれて来ている可能性があります。つまり、遺伝子により、人生のすべてが最初から決まってしまうわけではなく、人それぞれの生まれてからの環境や突然変異により、遺伝子の影響は変化するということです。

では、自分の遺伝子の特性を活かすにはどうしたらよいのでしょう。身体的な要因は無視できませんが、それ以外は、いろいろとチャレンジしてみて判断しましょう。遺伝的要因が不利にならない分野であれば問題ありません。

次に、後天的な努力や訓練についての研究結果について説明します。

一流のスポーツマン、芸術家、チェスプレイヤーなどは、多くの時間を訓練に費やしています。訓練に取り組んだ時間が多いほど高いレベルに到達しているのです。ただ、ここで注意すべきことが二つあります。

1.「目的意識を持った訓練をする」

誰かに言われてやるのではなく、自分の本心から「○○みたいになりたいから、そのための訓練を自分の意思で喜んでやる」、という目的意識を持った自主的な訓練でなければ意味がないということです。

2.「無駄な努力をしない」

努力は必要ですが、努力をすることが目的になってしまい、ただ単に決められたメニューをだらだらと続けているだけでは成長は期待できません。

本当に必要な訓練は、絶えずその目標のレベルアップにより変える必要があります。その目標達成の方法も新しい工夫を加えて変えていきます。無駄ではない必要な努力をとことん続けることが成功への道なのです。

以上、遺伝的要因に目的意識を持った訓練が成功の秘訣であることを説明しましたが、最後に忘れてはいけないのは、実際に実行するのは君自身であり、君自身に必要な三つの重要な要素があります。

1.「才能を開花させようとする強い意志がある」

2.「多くの人が応援したくなるような人間的魅力がある」

3.「応援してくれる仲間を得るための自己アピール力がある」

「強い意志」と「人間的魅力」と「アピール力」を身に付けるためには、君の心に希望が必要です。希望無き者には良き縁もチャンスも巡ってきません。才能があるかどうか悩む前にやるべきことは、希望をもって、勇気を出して、最初の一歩を踏み出すことです。

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