第13章 すべて完璧を求めてしまう君へ 

13  すべて完璧を求めてしまう君へ

幼児の時期は、子供がチャレンジして何かができるようになるたびに、親は心から喜び、「すごい、できた」と笑顔でほめてくれます。しかし、子供が成長して、チャレンジした結果を自分で評価できる年齢になると、今まで喜んで取り組んでいたことを急にやらなくなることがあります。

それは、年齢が上がれば、当然チャレンジする内容も高度になり、中には自分の満足いく結果が得られないものも出てくるからです。

「自分はやればできるけど、やる気がしないからやらない」ということにすれば、できなかったときの精神的ダメージを受けずにすむのです。

子供は、本心ではちゃんと完璧にやれるようになりたいのです。ただ、その方法と完璧にできたイメージを心に思い描けないのです。

親に必要なのは、「やればできる、がんばれ」と励ますことではなく、結果よりもチャレンジにこそ価値があることを語り、結果を出すための方法や工夫を一緒に考えてあげることなのです。

しかし、このことに関しては、子供だけの問題ではありません。

大人も新しいことを取り入れることを拒み、チャレンジすることから逃げようとします。子供と同じです。大人は子供より少しばかり知恵があるだけに、言い訳は一流で、よけいにやっかいです。

篠山紀信という写真家が、プロフェショナルとアマチャアの違いをテレビで解説していました。「素人は、写真を撮影する時、光、構図、アングルなど、いちいち気にして、なかなか一枚の写真を撮影しようとしない。プロは数で勝負します。とにかく撮影してから考えます。素人は考えてばかりで、行動しないのです」と語っていました。

プロは最初から完璧を求めません。不完全だろうと失敗作だろうと、とにかく多くのチャレンジをして実際にやってみて、そこから新たなヒントと工夫を得て、また次の行動に移っていきます。この行動パターンこそが、成功をつかむための最高の方法なのです。

完璧を求める気持ちは悪いことではありません。高い目標を設定することでより成長できる可能性が高まるからです。それなら、途中はどれだけ負けようが失敗しようが気にせず、最後に勝てば、成功すればいいのだと思って、折れない心でチャレンジし続けるしかないのです。

ピカソの『ゲルニカ』は、20世紀の反戦のシンボルとして有名な大きな絵ですが、天才画家ピカソだから、一気に何も見ずに描いたように思われますが、実際には、ものすごい数の下絵を描いた上で『ゲルニカ』は制作されています。プロは、泥臭い努力を誰よりも多くやっていて、華々しい成功した部分だけを見せることで、楽に完璧な仕事をしているように見せているだけなのです。いい仕事の裏側のかくれた努力が分かる人になってください。

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