虹をよく見る人

あなたはよく虹を見ますか? 「忙しくて空など見ている余裕など無い」、「空を見ているよりスマホを見て過ごしている」、こんな言葉が返ってきそうですが、世の中には、虹をよく見る人がいます。もちろん、絶えず空ばかり見ている人ではありません。

感性が豊かな人は存在します。よく誤解されるのですが、感性豊かな人は、知識や論理とは無縁な存在で、勘に頼る人種、自由気ままに生きている人種のように考えられています。しかし、事実は逆で、感性やセンスは知識の量に正比例して高まるものなのです。

リソースフル(解決に必要な発想が豊富である)でアイデアが次から次に出てくる人を前にすると、知識や論理ではなく、思いつきや勘だけて仕事をしているかのように思えてしまいます。しかし、その発言の背景には、多くの知識の集積と無意識の領域にキープした情報を自由に取り出し、柔軟に編集できる能力があるのです。

虹をよく見る人は、虹が生成される科学的知識をしっかり理解し記憶しているのです。

そして、虹が出現する気象状況が整った時、そのことを五感で感じ取り、たとえ何かをしていたとしても、虹が出現しそうな空を自然と見てしまうのです。それも意識することなく。

ビジネスチャンスに気付き、そのチャンスを掴むことができるかは、ビジネスセンスがあるかで決まりますが、そのビジネスセンスとはどんな能力なのでしょう。多種多様な知識を記憶の領域にキープしておき、自由にアクセスできる。そんな思考特性を持った人こそビジネスセンスの高い人だと言えます。ならば、虹をよく見る人になれば良いのです。知識を正しく使いこなし、感性のアンテナ感度をアップさせれば良いのです。それは、訓練で獲得可能です。思いつきや勘だと思っていたアイデアやセンスには科学的根拠があるのです。この事実を知って、必要なトレーニングを積むことで見える世界も当然変わります。人生においてもビジネスにおいてもより豊かな未来が拓かれると思います。

たまには、空を見上げてみましょう。たとえ虹が見えなくても、スマホの画面には無い何かが見えるかもしれません。

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