1984個展-「Parthenon」-F8-油彩-髙澤信俊

初個展の記憶

「古都シリーズ」と「仏像シリーズ」

1984年、名古屋「中日画廊」にて旺玄会会員推挙を記念するタイミングで初個展を開催した。
前年にヨーロッパ各都市を取材した油彩画の「古都シリーズ」とパステル画で描いた「仏像シリーズ」を合わせて24点を展示した。
私にとっての初個展は記念すべきイベントではあったが、思い返すと恥ずかしくもあり、少し苦い経験でもある。

画家として成長した証

どんな画家でも作家活動を続けていると、それなりに進歩はするもので、過去の作品がどうしても稚拙な表現に思えてくる。そう思えることが、画家として成長した証でもあるのだが、意外と過去の作品を観るのが苦痛に感じることは多いのである。
初の個展となると、それなりの気負いもあり、画廊の壁面を埋めるために無理して過去の作品をかき集めて展示した。額縁も画家である父の所有物を借りての展示となり、私の絵には不釣り合いな、必要以上にアンティークでゴージャスな額が混じっての展示となってしまい、個展の統一感にやや欠けていたことは否めなかった。作品の未熟さ以上に自分の個展をしっかりプロデュースできなかったことの方がもっと恥ずかしい。

アウトプットし続けるべき

もちろん、個展開催当時は、全国規模の伝統ある公募展の会員に推挙されたことの喜びと相まって、俗に言う「調子にのった状態」でしかなく、多くの人に観に来ていただき、大変ありがたかったし、個展を開催できたことを素直に喜んでいた。しかし、思い返すと実はいろいろと見えていなかったことも多かったように思う。
いやいや、本当にお恥ずかしい。ただ、人生なんて恥をかきながら生きていくしかないのが偽りのない真理であるから、何事もチャレンジし、失敗して学べたらオッケーと考えるべきなのであろう。
今回、ウェブサイト用に作品の画像や資料を整理していて、人生初個展の写真を手にして思うことの結論は、「人生とは恥をかくことである。そして、人間は死ぬまで恥をかいてでもアウトプットし続けるべきだ」ということであった。

失敗を恐れて何もしない人間より、調子に乗って失敗してでもチャレンジする人間が増えた方が、絶対に世の中はもっと面白くなると思うので、「恥ずかしさも一興である」と締めくくっておこう。

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