16 将来に不安を感じている君へ
将来に不安を感じてしまう原因は二つあります。一つは人生の先が読めないこと。もう一つは、自分の生きていく理由を見いだせないことです。
世の中には、未来がこうなると得意げに語る人がいますが、そういう人の多くは、たとえ予想が外れても、自分の過ちを謝罪することも、外れた責任を取ることもありません。人を不安にさせてお金を儲ける仕事をしている人達だからです。そんな人達の言動にまどわされてはいけません。
しかし、中には鋭い洞察力と知性により、かなり正確に未来予想が立てられる人がいます。そのような先が読める人の特徴は、多くの情報を元に想像力を使って仮説を立て、その仮説を絶えず検証している人です。
防災教育を例に考えてみましょう。その土地がどんな環境にあり、過去にどんな災害があったかを知っていれば、正しい避難行動がとれます。正しい防災知識を得て、しっかり準備している人はいたずらに不安におちいることはありません。正しい情報の収集と想像力がとても重要になります。
しかし、人生においては予想もできない突発的な災害や事故や病気などの不運にあうこともあります。これについては心配してもしょうが無いので、あきらめて無視しましょう。それしかないですよね。
次に自分が生きていく目的の問題です。歴史に名を残すような人物や社会的に成功した有名人などを見て、なんだか自分の存在がすごく小さく、無価値に思えてしまうことがありますね。でも、よく考えてみてください。何十万人という人の命を奪う決断をした歴史的な政治家、たった一人の悩みを聞いてあげて、その人の心を少しだけ和らげられた普通の人、どちらが愛すべき人だと思いますか? 自分で人生を選ぶなら、君はどちらを選びますか?
「一隅を照らす、これすなわち国宝なり」という言葉があります。天台宗の開祖、最澄の言葉です。一隅とは自分のいる場所のことです。照らすとは自分のやるべきことを精一杯にやるということです。一人ひとりが自分のいる場所で一隅を照らす努力をすることが、私たちの本来の役目であり、それが積み重なることで世の中全体が良くなると説かれているのです。つまり、仕事の規模(大きさ)ではないですよ、と言っているのです。
昔の有名なお坊様はいいことを言いますね。でも、大きさに関係なく自分のやるべき目標が分からないから悩んでいるので、それについてはどうしたらよいでしょう。
そんなときは、自分探しの旅に出ますか? その必要はありません。答えは、君の心の奥にある魂が知っています。魂の声のささやきは、周りの雑音や自分の欲が強いと聞き取ることができません。心を静め、欲を捨てて、自分の魂に呼びかけてみてください。「自分は何がしたいのか?」、「自分に何ができるのか?」と、きっと小さき声で教えてくれると思いますよ。
















