ロゴマークデザイン
私の大学での専攻コースは「構成デザイン」でした。
バウハウスのデザイン教育の理念を受け継ぐコースとして、東京教育大学からの流れで、筑波大学の芸術学群に設置されています。
構成デザインは、視覚伝達デザインや建築デザインとは違い、どちらかというと商業ベースより抽象絵画、抽象彫刻に近いデザインコースです。あまりクライアントを意識することがなく、「個人の美的感性でいかに平面構成、立体構成の領域で、新しい造形作品を生み出すのか?」が、課題テーマとなります。
私は、高校時代は油彩画を専攻コースにしていて、大学1年生から画家として活動していました。そんな私にとって、構成デザインコースは、絵画とデザインの中間領域のように感じられて、強く魅せられ専攻コースに選びました。
大学卒業後、美術教育者として教育現場に立ったとき、デザインの領域に関する経験を少しでも持てたことは、その後の美術教育者として活動の大きな助けとなりました。
職業としてはデザイナーとして活動した期間はありませんが、たまに、商業ベースではなく、知り合いなどから個人的にデザインを依頼されることがあります。
花屋のロゴマーク、パーソナルジムのロゴマーク、工業製品の会社のロゴマーク、そして自社のロゴマークと、これまでに4つのロゴマークをデザインしました。今回、縁あって5つめのロゴマークのデザインの依頼を受け、久しぶりにデザイナーらしい仕事をさせてもらいました。
今回は、健康・美容関係の会社で、起業された女性からの依頼です。ファスティングやリハビリの時に使用する、特別なソフトジューサーを販売する会社だそうです。
何回か、打合せをしている中から、私自身がファスティングや毒だし健康法に興味を持つことになり、社長が師と仰ぐ、織田剛氏の著書「毒出しのトリセツ」も読ませていただきました。私も一度、ファスティングに挑戦したいと、今ちょっと思っています。
ロゴマーク自体は、社長の要望がいろいろあって、その要望のすべてを1つのロゴマークに包括させることは、なかなか難しい課題でしたが、やりがいのある仕事でした。私のロゴマークのデザインを社長も気に入っていただけたみたいなので良かったです。
大学卒業後、デザイン事務所への就職という選択肢もありました。教育界に身を投じた私ですが、タイムラインが変わっていたら、デザイナーとしての人生を歩んでいたかも知れません。パラレルワールドの異世界に、1ヶ月ほど転生したような錯覚を感じながら仕事をしていました。
ロゴマークは俳句に似ています。
どこまで余分な要素を削ぎ落とせるのか? そして、限られた表現の中に、どれだけの想いを込められるのか? なかなか面白い仕事だと思います。最近、ロゴマークについつい目が行って仕方がありません。皆さんも、目にするロゴマークを観察してみてください。知的感性を高める効果につながるように思います。