パリの小さな手芸屋さん

ドールハウス作り ミニチュア制作の悦楽

訳あって、急にドールハウスで「パリの手芸屋さん」を制作することになりました。
もちろん、ドールハウスは未経験のまったくの素人です。

子供の頃の私は、飽き性で根気が無く、プラモデルもまともに完成させたことがありません。
そんな私ですが、制作する前は、以外と簡単にできるだろうとドールハウス作りをなめていました。
しかし、いざ制作に入ると、デザイン及びサイズ設定から板材、工具、接着剤、照明などの資材の購入、加工方法の工夫と課題は山積み状態です。

ドールハウス作家のサイトやYouTube動画を参考に、全体のイメージ画を描き、100均ショップとホームセンターを巡り、とにかく使えそうな材料の調達からスタートしました。
そこで分かったことは、100均ショップで売っているミニチュア商品が1/12規格サイズで統一されている事実です。
使えそうなドアのパーツを購入したら、最初の予定していたサイズに対して大きめであることに気付きました。
そのドアに合わせるために全体のサイズをすべて変更して作り直しました。

老眼対策用の拡大眼鏡とピンセットでの過酷な作業が続きます。
お店の全体構造と家具類、そしてミシンとアイロンとアイロン台が完成した段階で、一度中断して、半年以上に渡り、手を付けない状態で放り出していました。

私が代表を務める芸術家グルーブ「北星会」の展覧会に、ドールハウスを完成させ出品したいと思い、各商品などの細かいパーツ作りを再開しました。
数日間の集中的に作業により、なんとか完成の域までたどり着いて思ったのですが、ミニチュア作りには不思議な魅力があるということです。とにかく、その制作過程が楽しいのです。

再現したい情景をミニチュアで制作するという行為は、子供の頃に砂場で山を作り、トンネルを掘り、おもちゃのブルドーザーやショベルカーで時間を忘れて遊んだ記憶に通じる悦楽があります。

私は、画家が絵を描き、彫刻家が人体を造形する行為は、神が創造した宇宙を賛美する「賛美歌」と同じ行為だと思っています。
すべてのクリエイターの根源的な創造欲求は、この宇宙とその構成物に美を感じることに原点があるからです。
人が何かを創造する行為は、神が宇宙を創造した行為とはそのスケールもレベルも違いますが、相似関係にあります。
神の行為を模した行為であるからこそ、神と通じる回線がつながり、たとえ小さな創造的行為であっても、そこには価値が生まれ、その実行者の心は喜びで満たされるのです。

心を病んでしまう人は、このささやかな創造的行為を生活の中から排除してしまった人だと私は思っています。
心の健康を取り戻すためには、忘れていた子供心を思い出して、創造的行為を再開する必要があります。

ささやかな行為で良いのです。歌を歌う、詩を書く、俳句を詠む、絵を描く、折り紙を折る、山に登り写真を撮る、DIYをするなど、何かを生み出すささやか行為を生活に取り入れましょう。

大切なのは、上手下手の評価軸ではなく、楽しく遊び、自分独自の工夫で何かを生み出す行為であることに価値基準を置くことです。

一度、近くの公園や浜辺などに行って、砂や土に触れて、山やピラミッド、前方後円墳などを作ってみてください。私の言っている意味を理屈ではなく、手の触覚を通じてあなたの感性が理解させてくれると思います。

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