光る点から神話が生まれる

夜空に浮かぶ星々、それは地上からはただ光る点の集合体です。しかし、人は明るく光る星々を空想上の線で結び、想像力によってさまざまなものに置き換え、物語を創作してきました。その物語は語り継がれ、長い年月の中で脚色や編集を経て神話になったのです。

小さなビジネスの種を開花させ、しっかりとしたビジネスにまで育てるには、単なる点でしかない個々の情報を想像力で繋いで線とし、その線から立体的な構造物にまでイメージを膨らませビジネスという形にする行為です。星から星座をイメージし、そこから神話を創作する営みと同じです。

問題は、どの情報をピックアップするのか? の選択であり、その情報を何と結び付けるかの編集能力です。そこには便利なマニュアルはありません。必要なのは、価値を発見する美的感性とその価値をイメージ化する想像力です。創造性はこの二つの力から生まれます。創業も同様です。

しかし、私達の人生において、この二つの力を磨き高める学習機会は極めて少なく、あまり重要視されてきませんでした。デジタル時代に突入し、加工済の情報に身を委ねることの多い現代人にとって、美的感性を磨き、想像力をたくましくする学びが必要なのですが、それには皮肉にもアナログ体験こそが重要になります。

本要約サイトで簡単に本の情報を得るのではなく、あえて自分自身で本を読み、行間から著者の意図を読み取り、情景を想像する行為を体験することは、私達が認識している以上に脳の機能アップに必要な行為なのです。

ある美術大学の学長でデザイナーでもある人が強調していたのは、「アナログ体験を経験した上でデジタルソフトを扱わせた方が、格段にセンスの良い作品を制作できるようになる。アナログ体験を経験することなく最初からデジタルに入った者は、どうも表現に深みが無い」とのことです。早稲田大学の建築科は、一年次は手書きの製図にこだわった課題を与えるそうです。創造性の特性をしっかり理解している教育機関は、今でも最初はアナログから入らせているのです。

人間は本来アナログ的存在です。また、他者への共感も、未来を見据える能力も美的感性と想像力によって機能するのです。デジタル機器やソフトの便利さを否定する必要はありません。ただ、生活の中に一時、デジタルデトックスの時間を設定して、体や手を動かす作業をしたり、ボーッとしたり、空想にふけったりする時間を取り入れることをお勧めします。それは、感性を高め、想像力を豊かにすることと合わせて、脳と精神の健全な維持にも必要なことなのです。

星空を見上げて、感性と想像力の大切さに思いをはせた春の夜でした。

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